学会概要

日本経営会計学会 設立趣意書

企業会計は、大きく分類して財務会計と管理会計に別れるとされるのが一般的な考え方のようですが、ややもすると、財務会計が主体で管理会計は忘れられがちであったように思います。しかし、20世紀末のこの不況と変化に対応する企業経営の観点から考えたとき、管理会計を真剣に再検討し、研究する必要があるのではないかと考えます。
国際化の加速の中で、日本企業が企業の本来の目的である発展と存続を実行実現していくためにも財務会計から管理会計へと企業会計の比重を移行する時期に来ていると思います。
本来の会計の目的は、経営の為の手段としての「適正なる期間損益計算」であると考えられています。しかし、現実の資本主義社会においては、投資家が企業成績を正しく判断する為の資料として会計が必要とされ、その為には財務会計が重要しされ、管理会計の不在又は、管理会計が軽視されているのが現代の実務会計の姿だと思います。又、中小企業においては、経営の為の会計と言うより、税務の為の会計いわゆる税務会計が中心で、管理会計を導入している企業は少ないと考えられます。税務会計も広い意味での財務会計ですから、管理会計の不在と言う点では大企業と同じ傾向に有ると思います。企業は存立有って、会計も論ずる事ができるのですから、先ず、経営の為の会計を研究し、論じ、実践し、それから財務会計を論ずるべきだと考えます。倒産した企業の財務諸表は虚しさが残ります。企業の存立なくして会計も論ずる必要が無くなります。
平成10年の企業倒産は増加しました。公表されない廃業や倒産予備群は社会不安を増大させます。先の見えない現実の経営環境は想像以上に厳しく企業経営の為の会計、倒産予防を目的とする会計がどうしても必要とされます。
私達は、倒産を予防し、企業の発展を最重要課題とする管理会計の研究に努めなけばならない責務があると考えます。
そこで、私達は、「企業倒産予防を目的とし、経営戦略にまで及ぶ管理会計」のことを経営会計と定義し、その研究と普及に努めたいと考えます。
当学会は、経営会計の研究対象を会計学の一分野と限定せず、企業経営全般にも及ぼして、実践的で実務に応用できる理論体系を構築、研究すべきであると考えます。さらに、進んで、企業倒産を予防し、企業発展の手段として利用できる自然科学の分野、防災・地震、医学、農学、工学等をも含んで研究の対象としなければならないと考えます。
そして、研究者と産業界が共に参加し、産学協同の実践的な経営会計の研究に努めたいと考えます。
加えて、次世代の経営学者、会計学者及び、実務家の人材育成も使命と考え、また、関連諸学会等とも連携協力し、「企業倒産予防を目的とし、経営戦略にまで及ぶ管理会計」いわゆる経営会計の研究、普及に努める為に本学会を設立致します。

平成11年2月1日
日本経営会計学会設立発起人会一同